保険の入れ歯と自費の入れ歯
5つの違い

入れ歯治療といっても、健康保険が適用される範囲内で行う入れ歯の治療と健康保険の枠にとらわれない自費で行う入れ歯の治療があります。

ただ、その違いがよく分からない…という方も多いかも知れません。

そこで、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いをお話したいと思います。この2つの選択肢には、実は大きな違いがあります。

保険の入れ歯と
自費の入れ歯の違い

保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いを簡単に言うならば、

  • 保険適用の入れ歯は、規定の範囲内で「最低限の機能」を回復させる治療法
  • 自費の入れ歯は、1人1人のご希望に合わせることができるオーダーメイドの治療法

と言えます。

健康保険の良いところは、治療費の大部分を健康保険でまかなうことができて、自己負担が一部で済むという点です。医療費の負担を考えると、健康保険が存在することの恩恵は計り知れないものがあります。

一方で、健康保険は国が作っている制度に基づいたものですから、そのルールに沿って治療を行う必要があります。そのため、治療法や治療に使える素材にも細かいルールが定められているため、その範囲の中でしか治療を行うことができません。

たとえば、入れ歯に使える素材は「プラスチック」に限定されています。医療技術の進歩によって、金属や高品質プラスチック、シリコンなどの素材を使って、患者さんのご希望に応えられる入れ歯も作れるのですが、健康保険のルールではそれが不可能です。

健康保険の範囲で求められているのは、あくまでも食べ物を噛むという最低限の歯の機能を回復させることです。そのため、かたいものを噛む、見た目を美しくする、口の中に入れたときの快適さ、壊れずに長く使えること、などを追求するのは限界があるのです。

ここで、健康保険の入れ歯と自費の入れ歯のそれぞれの特徴を確認しながら、その違いを見てみましょう。

※表は左右にスクロールして確認できます。

保険の入れ歯 自費の入れ歯
治療費
安い
×
高い
治療期間
短い

症例により短いことも
長くなることもある
使える素材 ×
プラスチックに限定

最新の素材
噛みやすさ
かたいものを噛むのは
難しい

かたいものでも噛める
外れやすさ ×
外れやすい

外れにくい
痛み
噛むと痛むことがある

噛み締めても痛まない
見た目 ×
いかにも入れ歯と分かる

入れ歯とは分からない

これらの特徴をまとめると、次の5つの違いがあると言えます。

違い1
療法や素材の自由度

健康保険の入れ歯は、どうしても健康保険のルールに沿った治療法と素材で治療をしなければなりません。一方で、自費の入れ歯であれば、入れ歯に使う素材も制限されませんし、選ぶ素材に応じて最適な治療法を選択することができます。

違い2
しっかり噛める「機能性」

健康保険の入れ歯治療も「噛む」という機能の回復を目指すものなので、それなりに噛めるようにはなります。ただ、あくまでも日常生活に不自由がないように機能回復することなので、タコの刺身やおせんべいなど、かたいものを好きなだけ食べようと思ったら、限界があります。その点、自費の入れ歯であれば、かたいものでも噛みやすくすることができます。

違い3
しっかりフィットする「装着感」

カラオケを歌っていたら入れ歯が外れた、食事中に入れ歯が浮いてきた、こんな経験をお持ちの方も多いと思います。治療法が限られている保険の入れ歯は、口を大きく動かすとガタついたり外れたりしやすいのです。

一方で、自費の入れ歯であれば、あごの骨の状態や噛み方のクセまで考えてオーダーメイドで設計できるので、歌ったりかたいものを食べたりしてもそう簡単に外れたり浮いたりはしません。カラオケや食事を思いきり楽しむことができます。

違い4
キレイに見える「審美性」

周りから見て「入れ歯」だと気づきやすいのは、不自然な白さの人工歯とすべて同じ色の歯ぐきです。入れ歯の素材にプラスチックしか使えない保険の入れ歯では、自分の歯のような色にすることはできませんし、歯ぐきの部分に使える色も決まっています。

一方で、自費の入れ歯であれば、あえて歯に少しだけ着色をして本物の歯に近い印象に仕上げたり、歯ぐきの部分には何度も色を重ねて血管が透き通って見えるような自然な歯ぐきにしたりと、周りに入れ歯と気づかれない自分の歯のような自然な美しさを追求できます。

違い5
期にわたって使える「耐久性」

保険の入れ歯で使うプラスチックという素材は、使い続けていくうちに経年劣化します。黄ばみが出たり、変形したりといった劣化が出てくるのですが、これはプラスチックという素材の性質上、しかたのないところがあります。

一方で、自費の入れ歯では、経年劣化しづらい素材を使って入れ歯を作ります。そのため、長年使い続けていったとしても、黄ばみや変形などの劣化が起こることはまずありません。

ベストを
目指したいのであれば…

ここまでのお話で、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いはご理解いただけたと思います。

やはり大きな違いは、治療法や素材に「制限」があるかどうかです。保険の入れ歯には細かい制限があるため、ご希望を実現するにはどうしても限界があります。一方で、自費の入れ歯であればルールや制限がないので、あなたのご希望を追求することができます。

たとえば、かたいものでも噛めること、周りの人が見ても入れ歯と分からない自然な美しさ、口の中に入れたときにフィットする快適な装着感など、あなたが「こうなりたい!」「こうして欲しい!」と思うことを実現する方法を一緒に考えることができます。

つまり、自費の入れ歯であれば「あなたにとってベストな入れ歯をオーダーメイドで作製することができる」ということです。